壇蜜のもっとハァハァしてる? [ぴんぼけ]
赤い靴ではなく、赤い服ですが、どなたか連れていっていただけますか【拡大】
「いい爺さん」か「ひい祖父さん」か…。いったい女の子はどちらの「じいさん」に連れられて、行っちゃったのか。
とある童謡の歌詞から浮上したこの問題。ある程度の年代の方なら一度は考えたことがあるかもしれません。
しかし正解はどちらでもなく「異人さん」。つまり、女の子は「外国の方」に連れられ、船で遠くへ行ったのです。実話に基づいたのか、創作なのか、はたまたかなわぬ思いを歌にしたのか…。いろいろと謎の多い童謡です。
私も「女の子」だったとき、この歌を習ったので、自分と同い年くらいの子供が海外に連れていかれるという歌詞に大変衝撃を受けた記憶があります。
しかも、歌詞には「お父さん」や「お母さん」が出てこないこともあり、何の理由があって親元から離れてよその場所に行かなくてはならなくなったのかと考えると、急に悲しい気持ちになったものでした。
この歌には更なる衝撃が待ち構えているのをご存じでしょうか。異人さんに連れられていってしまった女の子は、異国で暮らしたから目も青くなっているだろう…という内容の歌詞が続いているのです。
これには動揺を隠せませんでした。「えー! 外国で暮らすと目の色も変わっちゃうの!?」とあたふたしてしまったのでした。その後、実家で母や祖母に「そ んなことはないよ、歌の中でのおとぎ話だから」となだめられるまで、えたいの知れない恐怖で私の様子が変だったという証言もあります。きっと新しい情報を 歌で得て、頭がパンクしそうだったのでしょう。
今ではDNAという現実的な単語が多くのジンクスや謎を解明してくれるので、私のように「目の色が変わるかもしれない」話でおびえる子供はいないとは思います。
無駄な不安がない時代に感謝する気持ちはありますが、私の中には「異国に行くと目が青くなる」とおびえていた子供の自分がまだ生きているような気がします。
海外暮らしの長い日本人の顔つきがどことなく違う謎の美しさを感じるのは、チビだった私がまだ抱え込んでいる先入観のせいかもしれません。私も欧米に長いこといたら、目鼻立ちがハッキリするのかしら。
■壇蜜(だん・みつ) 1980年12月3日生まれ、秋田県横手市出身。本名・齋藤支靜加。158センチ、B85・W60・H89。昭和女子大卒。NHKラジオ第2で「高校講座 /保健体育」(水曜午後8時10分)に出演。書き下ろしエッセー集「どうしよう」(マガジンハウス)も好評発売中。BS日テレ「久米書店~ヨクわかる!話 題の一冊」(日曜午後6時)やBSジャパン「にっぽん真発見」(日曜午後9時)でも活躍中。