壇蜜のもっとハァハァしてる? [ぴんぼけ]
恋愛未練は男女ともに 男より女のほうが「さっぱり」あくまで“パッと見”
★其ノ百伍拾四
2016.06.17
恋をすると、なかなかドライにはなれませんね【拡大】
学生時代、高校から付き合っている同い年の彼氏と上京してきて、都内のアパートで同棲しながら学生生活を送っているという先輩がいました。
先輩といっても私と2つしか変わらない二十歳そこそこの女の子。都内で実家暮らし、女子校あがりのわが身としては「上京」「高校生のときから付き合ってる 彼氏」「都内で同棲」という言葉も環境も刺激的でした。彼氏にお弁当を作ってから登校するという先輩が何倍も大人でカッコ良く見えたものでした。
彼女はキビキビとしていて明るくフットワークも軽い人でした。接客のバイトをしながら大学で真面目に勉強をしていたのですが、同棲していた彼はどうにも学 問と向き合えなくて、飲み会やゲームセンター三昧…。それを注意した先輩と喧嘩別れして、アパートを出ていき、学校も辞めてしまったそうです。
ここまで来ると、先輩も「アイツなんてもう知らない」と吹っ切れているかと思いきや、「たまに2人分、ご飯作っちゃうんだよね」と寂しそうに落ち込んで、かける言葉が見つからない日々がしばらく続きました。
卒業間近になり、新たに好きな人ができそうになっても、時々ふと思い出してシュンとする姿を見たこともありました。
よく、男性と比べて女性はすぐに立ち直る…なんて話を聞きますが、女性だって元気にしている姿を見せるのが上手なだけなのかもしれません。
ふと思い出すように未練を感じているときは、一人でいることが多いから、ドライな部分しか見えてこないようにも感じます。
誰だって別れはつらく、哀しみを伴います。「いなくなってせいせいしたわ」「あー、すっきり」などと厄介払いできたように周囲に言う女性たちも、実は夜な夜な元恋人の名前をうっかりつぶやき、唇を噛み締めているかもしれません。
私も突如フラれたとき、あまりにも突然でせめて最後に顔を見たくなって、その人に1回だけ会ってと懇願したこともありますから。男より女のほうが恋が終わってもさっぱりしているという説は、あくまで「パッと見」という枕詞を加えて解釈してほしいなと思う次第です。
■壇蜜(だん・みつ) 1980年12月3日生まれ、秋田県横手市出身。本名・齋藤支靜加。158センチ、B85・W60・H89。昭和女子大卒。小説デビュー作「光ラズノナヨ 竹」が10日から電子書籍で配信中。NHK・BSプレミアム「七人のコント侍」(金曜午後10時)、NHKラジオ第2「高校講座/保健体育」(水曜午後8 時10分)、BS日テレ「久米書店~ヨクわかる!話題の一冊」(日曜午後6時)、BSジャパン「にっぽん真発見」(日曜午後9時)に出演中。書き下ろし エッセー集「どうしよう」(マガジンハウス)も好評発売中。