壇蜜のもっとハァハァしてる？ [ぴんぼけ]
成長という退化でしょうか… 収集欲減退中
★其ノ百弐拾八
2015.12.04
大人になることで得ることもあるんですけどね【拡大】
つまらない大人になったなぁ。そう思うときがあります。昔は垂涎ものだった「屋台の出来立て粉もの」にときめかなくなったり、組み立てて作ることにドキドキしなくなって、揚げ句の果てには「完成品即納家具」を選んだり…。
おいしいものを食べてきた記憶や、組み立てに心血を注いだ割には出来栄えがイマイチでも楽しかった記憶から、好奇心を引いた結果、こんなことが起きるのでしょう。
成長という退化をしている気にもなります。
「集めなくなった」のもその一つ。集めたら願いがかなう（らしい）オレンジ玉をめぐる冒険漫画や、バラバラになったカードから出てくるあやかしを倒してカードを集めれば世界に平和が訪れる（らしい）魔法少女の奮闘記に影響され、シールやポストカード、切手を集める欲求は思春期を過ぎても旺盛だったのに。
今では「集めているものはありますか」という質問にも答えられないのです。自分が毎週ブログにアップする手書きの手紙ですら、アップ後は「もういらない」と丸めてポイする始末。
集めて、それでどうなるんだっけ…と考えた時点で、欲求がしぼむのかもしれません。大人になっても集められる人は、「集めている行為と集まっていく様がうれしい」と考えられる人なのです。集めたものがかさばっても収容できるほど居住空間に余裕があって、集めるだけの財力がある、そんな現実的な背景も考えられますが。
専門学校時代、同級生にフェレットを飼っている女性がいました。フェレットが好きなのでいつも数を増やしたいと思っているようでした。「性格も顔つきも違う子が、だんだん増えていくことがたまらなくカワイイし、それを見たい気持ちが強い」とのこと。
収集熱が伝わると、熱く語られた対象物が価値あるものに見えてきました。いまだに私の中で、フェレットはペット界の中でも特に飼い主の心を惑わす「魅惑の動物」として君臨しています。収集欲がかき立てられることを通りこし、「フェレット飼いたい願望」まで刺激されたというお話。
■壇蜜（だん・みつ） １９８０年１２月３日生まれ、秋田県横手市出身。本名・齋藤支靜加。１５８センチ、Ｂ８５・Ｗ６０・Ｈ８９。昭和女子大卒。１２月７日からＮＨＫ Ｅテレで「恋する百人一首」（全８回、月曜午後９時半）スタート。レギュラー出演は、テレビ東京「ニュースなハローワーク」（月曜午後１１時５８分）をはじめ、ＮＨＫＥテレ「テレビで中国語」（火曜午後１１時）、ＢＳ日テレ「久米書店～ヨクわかる！話題の一冊」（日曜午後６時）。エッセー集「壇蜜日記２」（文春文庫）も好評発売中。
はあはあしたいな。
