壇蜜のもっとハァハァしてる? [ぴんぼけ]
こういう壇蜜はいかがですか【拡大】
年を取ると、こだわりが強くなる。だから困ったもんだねぇ…という嘆きをよく聞きます。
「イマドキの若いものは…」「昔はもっと~だったのよ」「私のときは~だったんだからね」という口調で若者に話をしてしまう。振り返れば、私自身も若い世代を「まったくもう…」という視点で見てしまったり、接してしまったりしている節があります。
自分だって至らない人間のまま、年ばかり取ってきたのに、調子のいい話です。
私の場合、ひとりっ子で女子校育ちのため、「年下の女性」に世話を焼きすぎてしまう傾向があることは、自分でも分かっています。
プレゼントしたり、お下がりを譲ったり、「妹をかわいがるお姉さん」でいたいのでしょう。あまりにも世話を焼きすぎて、「なんでここまで?」とかえって怖がられてしまうこともありました。遠慮しないでね、という姿勢が恐縮を招くとも知らずに…。
人との距離を縮めることが苦手なくせに、“お姉さん風”を吹かせてはいけませんね。お節介は「断るスキを与えてから」しようと心に誓いながら35歳を迎えたいものです。
しかし、「こだわりが消えたなぁ」と思うことも生じます。諦めというか、私がやっても仕方ないじゃんというか…。
例えば、服装なら「レギンスなんてモテないよ」「網タイツ、はかなきゃ」「腹巻きなんて子供じゃないんだし」と、世の中の若人視点を共有するぞと虚勢をはっておりました。しかし、それも数年前からかなりなくなりました。
「でもさ、だれに見せるのか?」という自問自答で虚勢が飛んでいったのでした。
ファンの方は、壇蜜として仕事をする私が好きなのであって、「ダサいのやだ、モテたい」なんて強気な姿勢で網タイツをはいて、街を闊歩(かっぽ)する私にはあまり興味がないということに気づいたのです。
ファンを大事にするならば、「防寒」「避暑」「紫外線対策」をモットーに、己の体を守ってコンディションを整えておくことが重要だと思ったのです。
目覚めた私にレギンスも腹巻きも温かい対応をしてくれました。「暖かさが正義」の季節がやってきます。はこうじゃないかレギンス、巻こうじゃないか腹巻き。
■壇蜜(だん・みつ) 1980年12月3日生まれ、秋田県横手市出身。本名・齋藤支靜加。158センチ、B85・W60・H89。昭和女子大卒。テレビ東京「ニュースなハローワーク」(月曜午後11時58分)でレギュラーMCをはじめ、NHKEテレ「テレビで中国語」(火曜午後11時)、BS日テレ「久米書店~ヨクわかる!話題の一冊」(日曜午後6時)に出演中。エッセー集「壇蜜日記2」(文春文庫)が発売中。